2017年度グッドデザイン賞受賞編
近鉄不動産は、「あべのハルカス」「ローレルコート西葛西 」「ブランズシティ天神橋筋六丁目 」の2部門3プロジェクトが2017年度グッドデザイン賞を受賞。今回で、2013年から5年連続での受賞となります。受賞のお知らせを聞いたあべのべあは「5年も連続で受賞するのはすごいね。これからのマンションづくり・街づくりに活かしていけたらいいな」と、うれしそうな様子です。
グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)【公共用の建築・施設部門受賞】
「ローレルコート西葛西」(東京都江戸川区)【住宅・住空間部門受賞】
「ブランズシティ天神橋筋六丁目」(大阪市北区、東急不動産・JR西日本不動産開発との共同事業物件)【住宅・住空間部門受賞】
2013年度
ローレルアイ恵比寿ピアース
グッドデザイン賞受賞
2014年度
ローレルスクエア学園前
ローレルアイ白金
グッドデザイン賞ダブル受賞
2015年度
実験集合住宅NEXT21プラスワンの家
グッドデザイン賞受賞
2016年度
5プロジェクト同時受賞
てんしば金賞受賞
「沿線価値を向上し、都市間競争に勝ち抜く、日本一の高さの超高層集密都市」をデザインコンセプトに掲げた「あべのハルカス」は、高さ300mの超高層複合建築。地上60階・地下5階、延床面積は30.6万㎡もあり、百貨店・展望台・美術館・保育園・ホテル・オフィスなどで構成されています。一日15万人以上が乗降する近鉄「大阪阿部野橋」駅の直上に建設され、2014年3月に誕生。阿倍野をはじめとする鉄道沿線の「まちの活性化」と、梅田や難波とは異なる個性を持つ「第3極としての魅力強化」によって、大阪の都市構造を再編し、多様性を創出しています。
全面ガラス張りの「あべのハルカス」は、高層階にいくほど建物をセットバックさせ、複数の屋上庭園の設置が可能に。また、足下には緑豊かな天王寺公園が広がり、エントランスエリア「てんしば」は2016年度グッドデザイン賞金賞を受賞。それらの緑を吸い上げるように、人々が集まるスペースに寄り添うようにエコロジカルな庭園が配置され、都会の超高層ビルの中にいながら、心地よい居場所を見つけることができます。
直方体が三段にセットバックする抽象的な構成によって、300mに到達する日本で一番高い、駅上の巨大かつ複雑な複合施設をシンプルなヴォリュームにまとめあげている。ガラス張りの透明感あふれる外観は、日本における現代的なランドマークのあり方も示唆した。また透明な回廊や中央の吹き抜けになった屋外テラスを備えた展望台は、ただ周囲の風景を眺めるという機能以外に、その場の空間体験も提供することに成功した。
「ローレルコート西葛西」は、東京メトロ東西線「西葛西」駅徒歩10分、「葛西」駅徒歩12分の場所に、2016年8月に竣工した全30邸のレジデンスです。都心に近いエリアにふさわしい住まいを追求し、周辺の街並みと調和しながらも、画一的にならないよう個性的で都会的なマンションを目指してプランニング。我が家に帰り着いた後の寛ぎの時間に徹底的にこだわった点が大きな特長です。エントランスを別棟とし、木箱のようなしつらえが印象的なひときわ目を引くデザインとなっています。
さらに共用廊下も木調のマテリアルで仕上げられ、我が家の玄関に着く頃には、落ち着きで満たされるように設計。そこに流れる時間の速度を変え、気持ちをゆるめてくれる「スローアーキテクチャー」という考え方を根底にした住まいです。
建築担当の福田さん(首都圏事業本部 分譲事業部)は次のように話しています。「ベイシスデザイン事務所の佐藤 基さんをデザイナーに迎え、一緒にデザインを考えたプロジェクトとして、『ローレルコート西葛西』が3物件目になります。実は、5年前に手がけた1件目の『ローレルコート練馬新桜台』も2件目の『ローレルコート三鷹』も、スローアーキテクチャーというテーマをもとにデザインを創りました。同じテーマを継続してきて、それが評価されたことは素直にうれしいですし、蓄積してきたものがあったからこそ受賞につながったと思っています。今後もスローアーキテクチャーというテーマを深め、進化させていきたいですね」
エントランスホールのボリュームを分棟的に配置・デザインし、結果として街並みに調和するような佇まいになっている。外部仕上げは主に黒色系タイルと木目調タイルに限定し、その比率を変えることによって、エントランスホールの存在感をより親和的なものにしている。さらにいえば、周辺や居住者に開かれたプログラムを取りこもうとした場合には、このエントランスホールの分棟感・独立感をうまく活用できるように思われ、その意味において、この配置計画はさらなる街並みとの調和の可能性を示唆しているように思われる。
建物外観
四季彩の庭
ライブラリー
「ブランズシティ天神橋筋六丁目」は、大阪市営地下鉄谷町線・堺筋線「天神橋筋六丁目」駅徒歩5分の場所に、2017年1月に竣工。人・街・暮らしを見つめてきた3社がコラボレーションで創造する総420邸のビッグプロジェクトで、地域の新たなランドマークとなるように、外観デザインやランドプランにその思いを込めました。10,000㎡超の敷地面積を誇り、潤い豊かなガーデンスペースや多彩なパブリック空間が用意されています。
大規模な集合住宅の計画であり、その規模を活かして、実用的な居住者向けコモンスペースが充実している。 しかし、特筆すべきはその量よりもコモンスペースの配置計画である。子供の学習スペースやライブラリーといった、 居住者向けのコモンスペースが、エントランスとそこから続く中庭の周りに集中配置されている。 来訪者も含めた内外の交流空間として、言葉だけでなく、実際にも利用され続けるデザインであることが評価された。 また、中庭を介しながらコモンスペース相互の関係性も発展することが期待される。