グッドデザイン賞とは?
グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
2025.10.24 公開
近鉄不動産は、「ローレルコート京都柳馬場六角」をはじめ、4つのプロジェクトで2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。どのようなプロジェクトで受賞したのか、あべのべあも興味津々の様子です。
[2025年度受賞プロジェクト]
【1】ローレルコート京都柳馬場六角
京都市中京区
【2】アトラス御影山手
神戸市東灘区/旭化成ホームズ株式会社、旭化成不動産レジデンス株式会社との共同受賞
【3】近鉄半蔵門SQUARE
東京都千代田区
【4】大阪上本町駅、近鉄上本町バスターミナル
大阪市天王寺区/近畿日本鉄道株式会社、株式会社大林組との共同受賞
グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
地上5階地下1階建、総戸数32邸の「ローレルコート京都柳馬場六角」は、京都中心部に位置する柳馬場通に面した市街地に誕生しました。柳馬場通周辺は、歴史・文化を色濃く感じられるエリアで、京都市によって旧市街地型美観地区等に指定。立地にふさわしい伝統的な風情や日本の美意識を踏襲したデザインのほか、環境負荷の低減にも取り組みました。
外観デザインは、多段構成の庇によって水平ラインを分節化。さらに前面道路側に対しては意匠柱と縦格子による縦の分節を行うことで、通りに面する京町屋の間口寸法に可能な限り近づける構成とし、周辺環境に馴染む佇まいとしました。
共用部のラウンジには柳馬場通に由来する馬のオブジェを配置するなど、この地の歴史を視覚的に感じられる工夫も施しています。
居室の窓を最大限確保しながらも、室内外から室外機が見えないようにするため、バルコニー床の高さに工夫を加えました。さらに、給湯器を建物中央の吹抜け側のバルコニーに設置することで景観に配慮しています。
周辺建物への影響を考慮し、既存の地下躯体を活用して地下平面駐車場を設置。環境負荷の低減を実現させました。
京都の伝統的な街並みと現代建築がいかに共存できるのか、これはそう簡単に答えの出ない問いだ。それでも一つ一つ課題を見つけ、丁寧に解決していく、その試みの延長上に新しい建築のあり方が見えてくるのだろう。その好例がこの集合住宅だ。瓦屋根という具体的な素材や形態の模倣ではなく、水平屋根という抽象化された形態の反復を通じて古い建築群に敬意を払うとともに、現代的な設備機器類を可能な限り隠蔽する、この細やかな配慮によって、京都の街並みとの連続性と現代性を見事に表現している。実に秀逸なデザインである。
六甲山の麓に位置し、明治以降に邸宅用地として拓かれたエリアに誕生した「アトラス御影山手」。建替え事業として進められた本物件は、「近隣の皆にも喜んでもらえる建替えにしたい」という従来居住者さまの希望に応えたいという想いで、石垣や屋敷林がつくる伝統ある街並みと調和するデザインを実現しました。森のような庭園を望む開放的なバルコニーなども特長です。
「隣地との境界にまたがる榎の大樹を残す」という建替え要件から、石積みを配し、大樹を活かした御影山手にふさわしいファサードを計画。大樹を建物の顔として据え、アプローチ全体をその枝葉で覆うよう設計しました。また、駐車場は高低差のある地形を活かして地下に配置し、開放感あふれる景観も実現しました。
建物は、北側道路に圧迫感を与えないよう極力南へ寄せ、I字型に配置しています。これにより生まれた余剰容積率を活用し、バルコニーの奥行を2.5mに設計。南側眺望手前に余白を造ることで空間的な広がりを演出しています。
大規模集合住宅の建て替えは、ジェントリフィケーションにも通じる様々な課題と表裏一体の関係にあるが、この計画では、土地の記憶や住人の愛着に丁寧に寄り添いながら、事業性や経済性一辺倒に陥らない計画とすることで、こうした課題を乗り越えている。そこが何よりも素晴らしい点だが、加えて縦動線を分散配置することで、通常ならば「裏」になってしまう廊下側にも豊かな生活の場を生み出しているプランニングは秀逸で、景観としても、また居住性としても、快適で質の高い集合住宅となっている。
©Koji Fujii / TOREAL
東京メトロ半蔵門線 「半蔵門」駅徒歩1分。「近鉄半蔵門SQUARE」は、大通りに面した狭小敷地に建つ13階建のオフィスビルです。「出会いやコミュニケーションを発端に新たな創造を生み出す開放的なオフィス」をコンセプトに掲げ、通りに面した開放的な共用テラスが大きな特長です。開放的で、賑わいと緑の景観を創出しながら、もしものときの避難安全性も確保。これからの中小高層ビルの「あたらしい型」となる建築を実現しました。
従来型のペンシルビルの建築形式とは異なり、エレベーターと屋外避難階段を大通り沿いの前面側に設置する「ストリートフロントアクセス」という新しい形式を採用。バルコニーや避難階段を日常的に使われる空間として設計することで、避難経路の認知度向上につながり、避難時の安全性を高めています。
バルコニーは面積を最大化することで、ベンチや植栽を置いて日常の居場所として自由に使える空間に。また、バルコニーに面したオフィス空間は、どこにいても街とのつながりを感じる開放感が魅力です。
設計当初のイメージ図
街の賑わいを縦に積層するようにデザイン。オフィスワークの合間に屋上テラスでリフレッシュしたり、会議室・キッチン完備のコモンラウンジを活用するなど、各フロアを自由に行き来することで、入居者同士の積極的なコミュニケーションを促進。新たなイノベーションの発想が生まれる場づくりをめざしています。
半蔵門駅直結の新たなオフィスビル。働き方改革や健康志向に応え、多様なワークプレイスや充実した共用施設を整備し、利用者の交流を促す設計とした。外装は周辺環境と調和しつつ透明感のあるデザインで街並みに開かれた表情をもたらす。自然採光・自然換気を組み合わせ、快適性と環境性能を両立。利便性とサステナビリティを兼ね備えた次世代型オフィスである。
大阪難波、神戸三宮をはじめ、奈良や名古屋、伊勢志摩など各方面の列車が発着する近鉄「大阪上本町」駅。同駅のバスターミナルが大阪・関西万博のシャトルバス発着場となることが決定し、リニューアルと同時に駅連絡通路を新設しました。従来のバスセンター建物を撤去し、発着エリアを拡張。また、バスターミナルと待合スペースおよび駅からバスターミナルへの動線を整備しました。
バスターミナルは天井全体にライン照明を配置。さらに発着エリアを二重の光の輪で囲うことで、バス専⽤エリアを明確にするデザインとしています。また、エリア内の12本の柱には10色のタイルをグラデーション状に貼ることでエリアを包み込む光を表現し、目的地へと旅立つ期待感と高揚感を演出しています。
1階に位置する駅の線路を一線廃止し、2階バスターミナルへと続く動線を確保。明るく開放的な駅と一新されたバスターミナルをつなぐ連絡通路は、上質で落ち着いた空間に。曲線を多用した柔らかいデザインとすることで、旅に出る期待感を醸成しています。また、柱片側のみを曲面壁で覆うデザインによって、通路の行き道と帰り道の表情に変化をもたらしています。
かつて市電が交通の主役だった時代は主要ターミナルだった上本町だが、今は少し寂しさと昭和の雰囲気を残す駅と地域になっている。行き止まり式の大規模な鉄道駅が地上レベルにあることは我が国では珍しく、上本町駅はその点で極めてバリアフリーかつ地域と一体化された空間と言える。このバスターミナルのリニューアルは、鉄道駅構内とバスターミナル側の境界線を撤去し、薄暗かった駅が大きく明るく広がった印象を受ける。万博シャトルバスへの発着場としてのリニューアルだが、上本町駅全体の再開発も発表されており、このバスターミナルから周辺地域の活性化につながる新しい展開を期待している。
2024年度
ローレルコート上本町五丁目
2023年度
ローレルスクエアOSAKA LINK
2022年度
ローレルスクエア長岡京ザ・マークス
MMフィールド南大高
ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館『佳水園』
ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ
2021年度
ローレルアイあべの
2020年度
ローレルスクエア健都ザ・レジデンス
シーンズ塚口
ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ
2019年度
ローレルコート上本町石ヶ辻公園
ローレルタワー梅田ウエスト
ローレルタワー心斎橋
リフィオ木場公園
2018年度
ローレルアイ目黒大橋
リフィオ成増
イニシア桂大橋
ブランズタワー御堂筋本町
2017年度
あべのハルカス
ローレルコート西葛西
ブランズシティ天神橋筋六丁目
2016年度
5プロジェクト同時受賞
てんしば金賞受賞
2015年度
実験集合住宅NEXT21プラスワンの家
2014年度
ローレルスクエア学園前
ローレルアイ白金
2013年度
ローレルアイ恵比寿ピアース