4月から始まった美人収納レッスン。今回は、モノが集まりやすいリビングです。起きている間、一番長い時間を過ごすリビングは、家族みんなで使うモノだけでなく、個人のモノも多くなりがち。リビングはパブリックスペースと心得て。この1カ月で、ホテルのロビーのように、いつでもお友達を招待できる大好きな場所にしましょう。
1カ所決めて、まず整理、そのあと収納に取り組みます。それが終わった場所は、日々片付けのみでOK。つまり、整理収納とは、仕組みづくりなのです。
整理収納は「30分」と決めて行いましょう。
整理を始める前におすすめなのが、キッチンタイマーで30分をセットしてスタートすること。時間を区切らずに進めると30分があっという間に過ぎてしまうように感じます。あらかじめ「30分」と決めておくと、「①思いのほか時間が長く感じて作業を進められる」「②時間を区切ることで集中できる」という2つのメリットがあります。
整理の前に皆さんのスマホや携帯電話のカメラで、リビング全体が写るように写真を数枚撮影してください。目の前の部屋と比べてみると、写真のほうが雑然として見えるはず。
これは、いつもの部屋が「当たり前の光景」となっているからです。写真は第三者の視点を教えてくれます。写真を見ていると、「この棚は無いほうがスッキリするな」「テーブルの上がモノでいっぱい」など、改善点が見えてくるはず。このBefore写真は、あとでAfter写真と見比べるために、ぜひ保存して。
キッチンタイマーを30分セットして「整理」をスタート。まずは、家族みんながよく通る動線上に、ゴミ箱の定位置を決めましょう。格段に捨てやすくなります。わが家はダイニング・キッチン・リビングの中央にしています。
ゴミ箱は少し大きめが便利。床や壁の色に合わせると生活感を抑えられます。大型の家具量販店に行くと種類も豊富にそろっていて、おすすめです。
次に手放すモノを選びます。美人収納の分け方は2段階です。
<1>種類別に分ける
書く道具なら「ボールペン・サインペン・蛍光ペン」など。種類別で分けると、何がどのくらいあるのか、一目で分かります。
<2>さらに4つに分類
1つの種類でモノが多い場合、4つに分けます。「使っている・使っていない」「好き・嫌い」でカテゴライズ。ボールペンでも「使っていて好き」なものは少ししかないはず。ほとんどが「使っていなくて嫌い」なら、使っても幸せになれないので、手放して。
捨てることに心を痛めなくて大丈夫。大切なのは、モノよりもご自身の心なのですから。右図を参考に優先順位をつけてみましょう。
ゼロアクション・ワンアクションとは、動作の回数が少ないことを言います。部屋を移動して扉を開けて引き出しを開けて、と動作が増えるほど面倒になってしまうので、ゼロ(0)かワン(1)をゴールに使いやすく収めましょう。
ついリビングにモノをあふれさせてしまう場合は、おそらくモノをしまう動作回数が多いことが原因。たとえば、ご主人やお子さんが脱いだ洗濯物が溜まるのは、「リビングから洗面所へ行く」「カゴに入れる」というツーアクションがあり、面倒だからです。
その場合は、リビングに合うオシャレな「洗濯機行きカゴ」を。ゼロアクションで放り込むだけになり、何回も洗面所へ持って行かなくて済みます。見た目も常にスッキリしますよ。
見せたいモノは何でしょう。風景?家族写真?フラワーアレンジメント?
見せたくないモノは何でしょう。ダイレクトメール?コード類?カラフルなおもちゃ?
キチンとひとつひとつ考えて、見せたいモノは目の高さ~腰の高さのオープンな場所へ。見せたくないモノは見えない場所へ。よく使うものは、リビング扉から見えない死角の壁側にフックなどのゼロアクション収納を。あまり使わないモノは扉のある収納箇所へ。丁寧に意識することで、住まいが見違えるように美しくなります。終わったらAfter写真を撮るのを忘れずに。きっと他の場所もやりたくなりますよ。
西口理恵子さん
整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、宅地建物取引士。新築マンション営業、企画に携わり、「インテリアR」を立ち上げる。「収納・インテリア・美」を総合した「美人収納」を掲げ、テレビ・雑誌でも活躍。セミナー・講演だけでなく、個人宅で「美人収納術」を直接指導し、整理収納サービスで生まれ変わらせたお宅は200軒以上も。著書『毎日がうまく回り出す 1日1収納の法則』他多数。
次回(6月下旬公開予定)は、
狭くても美しく使える洗面所を
ご紹介予定です!