今回は、難易度の高い「納戸・廊下」の整理収納です。あまり使わないモノをどんどん押し込んでしまいたくなる納戸・廊下の収納ですが、人の動線に合わせて上手にレイアウトすると、扉を開けるたびにうれしくなる美しい収納が叶います!ぜひトライしてみてくださいね。
1カ所決めて、まず整理、そのあと収納に取り組みます。それが終わった場所は、日々片付けのみでOK。つまり、整理収納とは、仕組みづくりなのです。
整理収納は「30分」と決めて行いましょう。
整理を始める前におすすめなのが、キッチンタイマーで30分をセットしてスタートすること。時間を区切らずに進めると30分があっという間に過ぎてしまうように感じます。あらかじめ「30分」と決めておくと、「①思いのほか時間が長く感じて作業を進められる」「②時間を区切ることで集中できる」という2つのメリットがあります。
家の間取りをお持ちの方は1枚ご用意ください。1日で、納戸・廊下収納の前を何回通りますか?数えてみると、結構多く通っていると思います。そんな使いやすい場所をただの物置とするのはもったいない!
ご自身がその収納への動線を考えて、何を入れると便利なのか、書き出してみましょう。収納箇所の扉の開く向きもチェックして、その向きの方面で使うモノを収納すると動線に無駄がありません。
そして、収納箇所の「幅・奥行き・高さ」を測って左のイラストのように間取りに書き込みましょう。扉を引いた壁の位置、コンセントの有無なども細かくチェックすると、後でとても役に立ちます。
棚板がない場合は、中に可動棚を置きましょう。重い荷物を入れる場合はスチールラック、軽い荷物を入れる場合は木製シェルフなどがおすすめ。高さがある180cmのラックにするとデッドスペースが少なくなります。ホームセンターや大型家具店で販売されていますよ。棚を間取りに書き込み、照明の邪魔になっていないか、動線が使いにくくないかを確認してください。中に人が入れるくらい広い場合は、奥行きが深い棚・浅い棚をL字型・コの字型に配置すると、様々な収納物が入れやすくなります。
また、棚の一番下に、ごみの日まで置いておく段ボールごみ・資源ごみ・粗大ごみのスペースをあらかじめつくっておくと、後で困ることがありません。また、入口付近に空いている壁があれば、はしご型などの突っ張るラックなどを付けると、壁面も収納に使えます。ハンディークリーナーなどのよく使う家電の収納にぴったりですよ。
【奥行が~45cmまで】
奥まで手が届きやすいので、目の高さ~腰の高さの場所はよく使うモノの収納に使います。棚板の位置を細かく調整し、モノのサイズに合わせましょう。
【奥行45~90 cm以上】
奥行き部分を「手前」と「奥」に分けます。人間の腕はおよそ60cmまでしか届かないため、奥は使用頻度が低いモノを収納します。100円ショップのボックスを「手前」と「奥」に置くと、奥のモノを取り出すときに前へ引き出せるのでおすすめです。
奥行きに限らず、棚板ありの収納は、腰から下の位置にチェストやポリプロピレン製の引き出しなどを中に入れて、引き出して上から見えるようにするとより使いやすくなります。大きな引き出しは店舗に在庫がなかったり、持ち帰りが大変なので、私はたいていネットで購入しています。調べると様々なサイズがありますし、定番品を購入すると後で追加購入できますよ。
ラックや引き出しを使って空間を区切ったら、1年以内に使うモノを収納し、不必要なモノを見直して。シールや印字ライターを使ってラベリングも忘れずに。すべてのモノがさっと出せる幸せを楽しんでくださいね。
西口理恵子さん
整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、宅地建物取引士。新築マンション営業、企画に携わり、「インテリアR」を立ち上げる。「収納・インテリア・美」を総合した「美人収納」を掲げ、テレビ・雑誌でも活躍。セミナー・講演だけでなく、個人宅で「美人収納術」を直接指導し、整理収納サービスで生まれ変わらせたお宅は200軒以上も。著書『毎日がうまく回り出す 1日1収納の法則』他多数。
次回(3月下旬公開予定)は、
新年度に向けた、書類の整理収納術をご紹介!
近鉄不動産では、「ローレル」マンションシリーズで採用している設備・仕様を定期的に見直し、アップデートしています。2021年春から整理収納アドバイザーの西口理恵子さんに協力いただきながら、新たなキッチン・洗面化粧台・ユニットバスの企画を進めてきました。いったいどんな設備になったのか、詳しくレポートしています。