整理収納アドバイザー 西口さんに
収納の悩み解消のヒントをお聞きしました

近鉄不動産では、「ローレル」マンションシリーズの設備・仕様を定期的にアップデートしています。2022年に商品化したキッチン・洗面化粧台・ユニットバスは、整理収納アドバイザーの西口理恵子さんが監修。今回は、商品企画担当の社員がさらなるアップデートをめざして、西口さんの自宅を訪問し、収納の悩み解消のヒントをお聞きしました。

西口さん監修の設備紹介はこちら

整理収納アドバイザー
西口理恵子さん

整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、宅地建物取引士。前職で新築マンション営業、企画に携わり、「インテリアR」を立ち上げる。「収納・インテリア・美」を総合した「美人収納」を掲げ、テレビ・雑誌でも活躍。セミナー・講演だけでなく、個人宅で「美人収納術」を直接指導し、整理収納サービスで生まれ変わらせたお宅は200軒以上も。著書『毎日がうまく回り出す 1日1収納の法則』他多数。InstagramなどのSNS・ブログの総フォロワー数は1万5000人以上。


キッチン

調理器具や食器などをスムーズに
出し入れしたい

食材に調味料、食器、調理器具とさまざまな物に囲まれたキッチン。必要な物をスムーズに出し入れできるか否かで、お料理の効率も変わってきます。西口さんがキッチンで工夫されているポイントを教えてもらいました。

調理器具は“立てて”収納する

まずキッチンカウンターのコンロ下には、コンロで使う物を収納しています。ここで大切なのは“ワンアクション”で物が取り出せること。コンロの前に立ったまま、引き出しを開けるだけでサッと必要な物が取り出せるようにしています。フライパンやお鍋、菜箸、フライ返しなどの調理器具はすべてファイルボックスの中に立てて収納。重ねて収納していると、探したり、上の物を動かしたり、アクション数=手間が増えてしまいます。フライパンやお鍋を選ぶときには、縦型に収納できるサイズを選んだり、取っ手が取り外しできる収納しやすいタイプも検討してみましょう。

普段使いの食器はゴールデンゾーンに

普段使いの食器は、食器棚の中でも最も取り出しやすい「ゴールデンゾーン」の範囲に置いています。ゴールデンゾーンとは目の高さから膝の高さまでのこと。吊戸棚は、棚板を目の高さの範囲に集めて、種類ごとに人数分の平皿が収まるよう浅めにしておけば、ワンアクションで出し入れできます。ボウルやお椀などは、食器棚の2段目の引き出しに収納しています。数ある食器棚の中でもおすすめは、引き出しが4段あるタイプ。引き出しの高さが少し浅くなりますが、意外と物は入ります。引き出しは高さがあっても底や奥の物が取り出しにくいので、使い勝手がよいとは限りません。

食品のストックが把握できるように

食器棚の一番下の引き出しには、使用頻度がさほど高くないストック類を収納しています。冷蔵庫に近い高さのある引き出しに飲料系を置き、食品類は種類別に分けて定位置を決めて、立てて収納。ひとめでストックの数がわかりますよね。ついついいろいろと買い足して収納場所に困ったり、消費期限を切らしてしまうことがありますが、「ここに入る分だけ」と適正量を決めると、過剰にストックを持つことが防げます。また、定位置を決めておけば探す手間も減りますよ。

トレーも立てて収納し、取り出しやすく

意外と収納場所に困るトレー類。横に寝かせて重ねると場所をとったり、取り出しが不便だったり。そこで、食器棚のカウンターの目立たない場所に突っ張り棒を使って、立てて収納しています。サッと取り出せるので便利です。


どうしてますか?お子さんのアレコレ

あれどこにある?の質問をスマートに返す

物の定位置を決めて収納していても、家族みんなが把握しているとは限りませんよね。特に、子どもは「あれ、どこにある?」とよく聞いてくるもの。そして、「冷蔵庫の2段目!」と言ってもうまく伝わらないことも…。わが家では、冷蔵庫や子ども服を収納したタンスの扉に番号を貼ることに。どこにあるのかスマートに返すことができ、「プリンは冷蔵庫の2番」と覚えやすいのか、聞かれること自体が減りました。

日々持ち帰るプリント類

学校や塾などから日々、持ち帰ってくるプリント。放置しておくと、大事なことを忘れてしまったり、プリントがどんどん溜まったり…。私は、持ち帰ってくるプリントを見て大事なことが書かれているものはスマホで写真を撮って、夫にも共有しています。紙を残す必要もなく、夫へ伝え忘れも防げます。忙しいときに渡されたプリントは、とりあえずキッチンの近くにあるボードにマグネットでとめておき、忘れてしまうのを防いでいます。

子どもが作った作品をどう残す?

作品を飾る場所を決めておき、次の作品を持ち帰ってきても入れ替えるようにすれば、増え続けることもありません。飾るものは、子ども本人に決めてもらいます。飾るほどではないけど残しておきたい物は、プラスチックのキャリングケースに。こちらに入る分だけを残すというルールがあれば、どんどん溜まりがちな子どもの作品や思い出の品にも定位置・適正量を決めることができます。


クロゼット

気分も高まるクロゼットに
アップデート

洋服やカバン、アクセサリーなどを収納するクロゼット。使い方や工夫次第で、より機能的に、気分も高まるクロゼットにアップデートできるようです。西口さんはどのように使っているのでしょうか?

種類別・色別の収納でスマートに

「ワンピースやコートなど丈の長い物をかける」「ジャケットとパンツを上下2本のポールにかける」など、フレキシブルにアレンジしやすいよう、クロゼット内部の仕切り幅を50cmとあえて狭めに。洋服は種類別に収納し、さらに白~黒のカラーグラデーションになるようかけておくと、取り出しがスムーズです。また、春・秋物は気温によっては夏・冬でも着ることがあるので、年中そのまま。衣替えは、夏物と冬物だけを入れ替えています。

アクセサリー類も選びやすく、取りやすく

アクセサリーも種類別に分けて、一目で見渡せるように収納。お気に入りをずらっと見ることができれば、気分も高まります。ネックレスは絡まないように、長さごとに分けながら、フックに掛けています。ピアスやブローチなどは、引き出し内に仕切りトレイを敷き詰めて収納。奥にミラーとライトを付けているので、洋服との組み合わせをチェックしながら選べて便利ですよ。

バッグは型崩れしないように

よく使うバッグはアクセサリー収納の下の棚に、使用頻度がそう高くないものは洋服の上の棚に収納しています。バッグを収納するときに気になるのが、中が空っぽだとクシャっとなって型崩れしてしまうこと。そこで、ショップのように綿や緩衝材などでつくったあんこをバッグに入れて収納しています。型崩れを防ぎ、自立するので見た目もすっきり。ハンドバッグはブックエンドで立てて収納。きれいに収納すると、選ぶ楽しみもアップしますよ。

クシャッとなるソックスをきれいに

伸縮力の強いカバーソックスは洗濯するとクシャッとなり、きれいにしまいにくいですよね。購入時に付いている台紙をとっておき、カバーソックスに入れると、立てて収納でき、スムーズに出し入れできます。


入浴後の着替えは洗面室で完結

洗面室の引き出しに必要な物を

バスタオルや下着、部屋着を洗面室以外のところに収納していると、毎回わざわざ洗面室に持っていくのは面倒です。さらに、家族が持っていくのを忘れたら…。そんな手間は極力省きたいですね。必要な物が必要な場所にある適材適所は、整理収納のキホンでもあるので、洗面室にバスタオルや下着、部屋着を収納すると便利です。わが家も洗面化粧台の引き出しやリネン庫に家族全員の必要な物を収納しています。


これから必要とされる“収納”とは?

アフターコロナは住まいの転換期

コロナがやっと落ち着いてきましたが、衛生用品が増えたり、自宅で仕事する機会が増えたり、コロナ禍前の暮らしに戻ることはないのでは。「寝る・食べる」に「働く」もプラスされて、住まいにはよりフレキシブルに使える空間が求められていると思います。限られた面積の中で、プラスアルファの空間が必要になると、収納スペースを減らさなきゃいけない。でも、収納量が少なくなることは決してネガティブなことではありません。最近よく感じるのが、20〜30代の方は持ち物がとても少ないこと。つまり、これから住まいを買う方たちみんなが、たくさんの収納量を求めているとは限らないのです。

隠すのではなく、使いやすく収めるために

収納はスペースが広ければよいわけではないですよね。場所があると、ついいろんな物を押し込んでしまいがちですが、収納ってしまい込んだり、隠すことではなく、使いやすく収めること。そして、使いやすさは、好みやライフスタイルなどによっても変わってきます。住まう人が自分自身でいろいろアレンジできるカタチが、これから必要とされていくのではないでしょうか。


商品企画担当者より

西口さんのご自宅のキッチンやクロゼットの工夫を拝見して、住まう方の家族構成やライフスタイルに合った収納の大切さを改めて実感できました。住まいをプランニングする上で、収納量の確保や使い勝手の向上に日々取り組んでいるのですが、多様化するライフスタイルや価値観をもっとリサーチし、フレキシブルに対応できるプランや商品も今後、検討していきたいと思います。