キャラメルクリーム[マルナカ菓子店]
キャラメルクリーム[マルナカ菓子店]
大阪・森ノ宮にある「マルナカ菓子店」の「キャラメルクリーム」は、キャラメルクリームの甘みと、焦がしキャラメルの苦味のバランスが絶妙なお菓子です。このスイーツが誕生したのは、オーナーパティシエの大久保俊幸さんが、なかたに亭、ホテル阪急インターナショナルを経て、イタリアンレストランでデザートを担当していた時のこと。「食後のデザートとして、甘すぎず、舌触りのよいものをめざして、イタリアのスイーツ、カタラーナをアレンジしました」と話します。スポンジを混ぜたキャラメルクリームに、キャラメル生クリームがトッピングされており、ブリュレのように香ばしく、プディングのようにまろやか。店を移って独立してからも、多くのファンに愛されている看板スイーツです。
<PHOTO>キャラメルクリーム480円(税込)
素材の魅力が際立つ美味しさ
発酵バタークリームをダックワーズでサンドした「ミゼラブル」(左写真の奥)。ドライフルーツ、塩を混ぜたバタークリームの2層構造になっているので、サッパリと切れのある味わいです。「フルーツタルト」は、アーモンドクリームを絞ったクッキー生地に、季節のフルーツをトッピング。果汁が染み込んだ生地は、それだけ食べてもフルーティーな美味しさが楽しめます。フランス語で「メレンゲ」を意味する「ムラング」(右写真)は、大久保さん厳選の生クリームをメレンゲで挟んだシンプルなお菓子。サクッとした歯ごたえと練乳のような味わいの虜になるファンは多いそう。
<PHOTO>ミゼラブル480円、フルーツタルト480円、ムラング310円(すべて税込)
「私福の時間とは?」
パティシエがプライベートで至福の時を感じるスイーツをリレー方式で毎月ご紹介。今回のキャラメルクリームを推薦いただいた山川シェフのエスカルゴはvol.16で掲載しています。
「お子さん連れのお客様が多いので、誰もが安心して食べられるものを提供しています」と大久保さん。「添加物とお酒は極力使わないので、素材の質を重視しています」と、フルーツはもちろん、抹茶は濃厚なものを厳選しています。チョコレートもスイートチョコレート以上を使用し、ガトーショコラにはカカオ54%以上、チョコムースには70%以上、と使い分けています。また、「生クリームが苦手な人も美味しいと思えるものを使いたい」と、いろんな生クリームを試した結果、重すぎず軽すぎない脂肪分38%に落ち着いたそう。「その違いがわかる方は多いんですよ」と一緒に店を切り盛りするお姉さまの奈美さん。大久保さんも、「ショートケーキは苦手だけどうちのは美味しい、と言ってくださる方もいらっしゃいます」と笑顔を見せます。ファンの喜びの声は、大久保さんのお菓子づくりの原動力になっているようです。
SHOP DATAマルナカ菓子店
2012年、大阪城公園からほど近い城南公園の東隣にオープン。ワイン箱を積み上げたような内装が目を惹く店内は広々としており、「ベビーカーで入りやすい」とママたちに好評です。「今だから美味しい、と思えるものを提供したい」という大久保さん、季節感を大切に、毎日17種類前後の生菓子を手がけ、お客様を迎えています。つくり立てが味わえるよう、店内にはイートインスペースも併設。
大久保さんが惚れこむ逸品は……
「私のおすすめは、『パティスリー イデ』のチョコレートのケーキです。チョコレートの美味しさを左右するのは口溶けのよさですが、同店のケーキは口溶けがよく、チョコレート本来の味わいと香りのよさも楽しめます。どのスイーツもきれいなデザインで、チョコレートの飾りがあしらわれています。扱いの難しい素材を上手に使われていると思います」