サントノーレキャラメル[pâtisserie accueil(パティスリー アクイユ)]
サントノーレキャラメル[pâtisserie accueil(パティスリー アクイユ)]
キャラメルのお菓子は甘いというイメージがありますが、「pâtisserie accueil(パティスリーアクイユ)」の「サントノーレキャラメル」は、ほろ苦さが際立つ大人の味わいです。名店「なかたに亭」で10年間研鑽を積んだシェフパティシエの川西康文さんは、「秋から春にかけてつくっており、今年は洋梨のコンポートを添えてみました」と話します。クリームは、キャラメルのシャンティ、ラム酒が薫るシブースト、クレームディプロマット、キャラメルソースの4種類。ふんわりとしたクリームの中に、パイやシューのサクサク感、キャラメルのカリッとした歯ごたえが際立ち、最初から最後の一口まで、味と香り、食感のバリエーションが楽しめます。塩を少し加えてキレのある味わいにしているのも、このお菓子の魅力。「飽きがこないように」と川西さんが心を砕いて美味しさを重ねたスイーツは、まさにひとつで何度も美味しい逸品です。
<PHOTO>サントノーレキャラメルポワール 480円(税別)
美味しさを際立たせる、香りと歯ごたえ
ヘーゼルナッツのキャラメルを詰めた「ダンディ」は、コーヒーのクリームとシャンティからふわっと香る、コーヒーのアロマが印象的。甘みと苦みのバランスも絶妙です。甘酸っぱいフランボワーズのクリームをピスタチオの生地で挟んだ「フランボワジエ」は、ふんわりとした食感で軽い口当たり。「デリスショコラ」は、チョコレートムースの中に、ザクザクとした食感のフィアンティーヌとガナッシュダコワーズを忍ばせた、チョコレート尽くしのスイーツ。塩を少量加えているので、濃厚なのにキレのある味わいに仕上がっています。
<PHOTO>左上からダンディ500円、右上フランボワジエ450円、左下デリスショコラ480円(すべて税別)
「私福の時間とは?」
パティシエがプライベートで至福の時を感じるスイーツをリレー方式で毎月ご紹介。今回のサントノーレキャラメルを推薦いただいた村田さんのシュクセ プラリネなどはvol.19で掲載しています。
「心がけているのは、何を食べてほしいのかわかりやすくすること」と話す川西さん。主役を据えたら、その魅力を存分に引き出すために、アクセントになる香りや味、食感を考え、組み合わせているのだそう。たとえば、濃厚なチョコレートの生菓子には、塩を加えてキレのよさをプラス。また、ラム酒やオレンジでチョコレートのアロマを際立たせたり、黒糖でコクを出したりと、あの手この手で素材の魅力を引き立てています。ほとんどすべての生菓子にはクッキーやナッツなど、じっくり噛んで味わえる素材が忍ばせてあるから、甘さ控え目でも満足感は十分。魅力あふれるスイーツを手がけながらも「こうしなければならない、というこだわりみたいなものは、ないんですよねぇ」と川西さん。そのしなやかさと気負いのない自然体が、かわいらしく美味しいスイーツを生み出しているようです。
SHOP DATApâtisserie accueil(パティスリーアクイユ)
2014年、大阪市西区北堀江にオープンして以来、遠方からも多くのファンが訪れる注目のパティスリー。ショーケースには常時約15種類の生菓子が並び、半分以上が季節ごとに入れ替わります。秋から冬にかけては、イチジクやクリを使ったスイーツをはじめ、チョコレートベースの生菓子もバリエーション豊かにそろいます。マカロンやシュークリーム、「趣味でつくっている」というクグロフといった焼き菓子などは、普段のおやつにもぴったり。つくりたてが味わえるよう、カフェコーナーも併設されています。
川西さんが惚れこむ逸品は……
「おすすめしたいのは、シャルパンティエ マツイの『グアナラ』です。これは、その名のとおり、グアナラというチョコレートを使ったスイーツです。ビター感が強いのですが、ちょっと変わった風味のお酒とレモンのビスキュイが加えられているので、食べやすいのに、グアナラのよさが存分に引き立っています。私もグアナラを使いますが、こんな味わいにはできないので刺激を受けました。しかも、ムースは珍しいボンブベースなので、軽やかな口当たり。何もかも一味違う、ユニークなスイーツです」