冬こそ行きたい、雪国の旅。〜信州と但馬でかまくらを愉しむ〜
冬こそ行きたい、雪国の旅。
〜信州と但馬でかまくらを愉しむ〜
一面の銀世界と化した山里に点在する「かまくら」。都心では見られない、雪国の冬の風物詩です。東京駅から北陸新幹線に乗れば約1時間50分でアクセスできる長野県飯山市や、関西圏から車で比較的行きやすい兵庫県美方郡香美町。日本屈指の豪雪地帯として知られるこれらの地には、かまくらの中で食事ができるスポットが、冬限定で登場します。今回は、雪国ならではの特別な体験へご案内します。
兵庫県美方郡香美町 たじま高原植物園「かまくらレストラン」
長野県飯山市 かまくらの里
北信州地方は日本でも屈指の豪雪地帯で、いくつもの有名なスキー場が点在。そんな雪深いエリアに位置する長野県飯山市には、ウィンタースポーツとはまた違った、冬ならではの魅力「かまくら」が期間限定で登場します。その中であたたかな鍋料理を味わえば、風情も満点。またスノーシューなどの雪山らしい体験や、各地に湧く温泉での湯めぐりも楽しみのひとつです。
レストランかまくら村
のろし鍋
飯山では、毎年1月下旬から2月下旬まで(平成30年は1月26日〜2月27日)、雪原の中に約15基のかまくらが並ぶ「かまくらの里」がオープンします。かまくらに入って写真を撮ったり、童心にかえって雪遊びをしたりと楽しみ方は色々。夜を迎え、かまくらの中に明かりが点った風景も幻想的です。また、期間中は「レストランかまくら村」を営業。名物の「のろし鍋」をかまくらの中で味わうことができます。
長野県飯山市寿807-2
Tel.0269-62-3133(信州いいやま観光局)
[時]入場自由(レストランかまくら村は日により異なる)、開設は1/26〜2/27 [休]レストランかまくら村は水曜 [料]入場無料、レストランかまくら村(要予約)の「のろし鍋」は¥2,500〜(平日昼・大人の場合)
2月の第2土・日曜にかまくらの里で行われているイベントです。雪積みタワーレースをはじめとした、雪を使った色々な遊びができるほか、もちつきや物産展なども開催。2月10日には、夜空に咲く花火がかまくらを照らします。
2月10日・11日の2日間は、飯山市街地一帯で「いいやま雪まつり」を同時開催。各地区に趣向を凝らした大きな雪像が登場するほか、ステージイベントなども行われます。
飯山市北部、豊かな自然に抱かれたなべくら高原に広がる施設で、四季を通じてさまざまなアクティビティが楽しめます。夏は森の中でのノルディックウォーキングやヨガなどが、冬は雪国らしいスノーシューでの散策や雪遊びなどが人気。また季節や天気を問わずにできるアクセサリーや小物などの手づくり体験メニューも充実。中でも地元のおばあちゃんが教えてくれる、亀のわら細工づくりは、飯山でしかできないものです。
亀のわら細工づくり
内山紙の染め紙
タペストリーや小物が並ぶ店内
飯山の「内山紙」は、楮(こうぞ)を原料とする和紙。雪さらしをすることで、自然な白さを持つ丈夫な紙ができるという、雪国ならではの伝統工芸品です。近年は職人の数が減少、機械漉が主流に。古くから内山紙を扱ってきた稲田紙店では、貴重な手漉紙で作った小物を販売。「押花のしおり」や「タペストリー」は、奥さん手づくりの一点もの。ご主人お手製の内山紙の「はたき」は、リピーターもいるほどの人気です。
長野県飯山市大字飯山3014
Tel.0269-62-2612
[時]8:00〜18:00 [休]不定休(1/1・2休) [料]押花しおりセット(3枚入)¥540、和紙はたき¥972
写真提供:野沢温泉観光協会
北信州屈指の古湯で、冬はスキー場でも有名。あちらこちらから湯煙がたちのぼる温泉街には、天然温泉かけ流しの、13の外湯が点在しています。いずれも村の人々が共同で管理。他でもよく見かけるような入浴施設とはひと味違う、昔ながらの共同浴場の風情が漂います。入浴券も番台もありませんが、備え付けの賽銭箱に気持ち程度を入れるのがマナーです。
湯量が多く泉質も豊富な渋温泉に立つ宿。明治から昭和にかけての建物がつながった造りですが、中でも現役の旅館としては極めて貴重な木造4階建ての「斉月楼」が有名です。昭和10年頃の築で、登録有形文化財。宮大工が手がけたという見事な数寄屋建築です。また4つの専用源泉を持ち、館内の全ての風呂がかけ流しというのも贅沢。浴室によって源泉の種類が違うため、3種の異なる泉質のお湯に浸かることができるのも魅力です。
長野県下高井郡山ノ内町平穏2202
Tel.0269-33-3131
[時]宿泊in15:00/out10:00 [料]大人1名1泊2食付き¥17,280〜(平日2名利用の場合)
たじま高原植物園
兵庫県北部は、近畿圏ながらも特に雪の多い場所として有名。中でも標高が高い山間部は、例年何メートルもの積雪を記録しています。このエリアは京阪神の都市部から高速道路などでアクセスしやすいため、ウィンタースポーツでも人気。そんな「西の豪雪スポット」に位置する兵庫県美方郡香美町村岡区にある植物園に、冬限定「かまくらレストラン」がオープン。少し足を延ばせば、名湯として知られる温泉地もあり、冬の情緒が満喫できます。
氷ノ山後山那岐山国定公園に指定された瀞川平一帯に広がる「たじま高原植物園」。冬期閉園中の園内が厚い雪に覆われると、センターハウスの周辺に何基ものかまくらが造られ、「かまくらレストラン」がオープンします。メニューは但馬牛や地元野菜を使ったバーベキュー。BコースからSSコースまであり、とりわけSSコースでは1頭の牛の全部位にあたる41部位の肉を食べ比べることができます。また夕刻には、かまくらやその一帯にほんのりとした明かりが点り、ロマンティックなムードに包まれます。
兵庫県美方郡香美町村岡区和池709
Tel.0796-96-1187
[時]12:00〜21:00(20:00LO)、かまくらレストラン営業は2017/12/23〜2018/3/18 [休]木曜(年末年始は営業)[料]バーベキューBコース4,000円〜、バーベキューSSコース9,800円(いずれも要予約)
たじま高原植物園の開園は、積もった雪が消える例年4月中旬から。園内を散策すれば、芽吹き始めた木々や透き通った雪解け水が、遅い春の訪れを告げてくれます。見どころのひとつは、樹齢約1000年ともいわれる和池の大カツラで、上手からは清らかな水がこんこんと湧いています。春の開園とともに、ツリーハウスレストランもオープン。森の中の隠れ家のような雰囲気とともに、バーベキューを味わうことができます(要予約・営業は例年11月3日まで)。
木の殿堂(外観)
木の殿堂(館内)
建築家・安藤忠雄が設計した建物が印象的な、森と木の文化が学べる博物館。館内の空間は、日本の木造建築の代表格である梁と柱をモチーフにしたもので、木のスロープに沿って見学するしくみになっています。組み木やおもちゃづくりなどの木工教室も実施。また冬場は、かんじきやスノーシューを借りて周辺を散策するなど、雪国の博物館ならではの体験ができます。
兵庫県美方郡香美町村岡区和池951
Tel.0796-96-1388
[時]10:00〜16:00(体験は要予約) [休]月曜(祝日の場合は翌平日)、12/31〜1/4 [料]無料、木工教室やかんじきなどは有料(料金は体験により異なる)
美方郡香美町の北、新温泉町にある古湯で、ドラマ「夢千代日記」の舞台としても知られています。春来川沿いから湯煙があがる風景は、まさに山あいの温泉街の趣。湯量の豊富な高温泉で、元湯「荒湯」からは、98度の温泉が毎分470リットル湧出しています。熱いお湯で温泉たまごを作ったり、川を望む足湯でのんびりするのも、湯村の楽しみ方のひとつ。日帰りで温泉を堪能できる「リフレッシュパークゆむら」もあります。