Aoniyoshi

上質な旅のひとときを手軽に愉しむ。

全国各地で豪華列車や観光特急が運行するなか、上質な旅を身近に愉しめる近鉄観光特急「あをによし」に注目。
贅沢なしつらえに、ゆったりくつろげるシート、車内限定のスイーツ…。その魅力に迫ります。


近鉄の観光特急「あをによし」とは?

大阪・奈良・京都を結び、くつろぎの歴史旅を

2022年4月に運行を開始した「あをによし」 は、大阪〜奈良〜京都の三都を乗り換えなしで結ぶ観光特急です。 「あをによし」とは、奈良にかかる枕詞で、平城京の華々しい様子を表し、歴史ある奈良を象徴する観光特急となることを願って命名されました。趣あふれる移動空間として、くつろぎの歴史旅が満喫できます。

4両編成の「あをによし」は、大阪難波〜奈良〜京都を結ぶ便と奈良〜京都を往復する便の合計8便が運行されています。大阪難波〜奈良は約40分、大阪難波〜京都は約1時間20分、奈良〜京都は約35分。

車両の正面を飾るエンブレムは、幸せの兆しとされる瑞鳥(ずいちょう)が花枝などをくわえた「花喰鳥(はなくいどり)」をデザインしたもの。正倉院御物や種々の工芸品に縁起のよい文様として使われています。


「あをによし」の魅力①
上質な車内空間

車窓を愉しみながらゆったりくつろげる

大きな窓に、ゆったりとくつろげる座席配置、豪華な内装、特注のシート。3都を結ぶ観光特急として、移動そのものを愉しむことができるのが「あをによし」の大きな魅力です。正倉院の宝物をモチーフにした天平文様などのデザインが随所に取り入れられ、観光気分を盛り上げてくれます。

1・3・4号車のツインシートは、窓側に1列ずつ配した贅沢な座席配置。片側は窓側に向けた配置となっており、車窓を楽しみたい方におすすめです。

2号車のサロンシートは、3〜4名のグループ専用席。パーテーションで仕切った半個室になっており、近鉄の中でも最大サイズの窓が特徴です。

「あをによし」の車両は、近鉄特急の中心的役割を担った12200系を改造したもので、1号車(19301号車)は1975年に来日したエリザベス女王も乗車。モノクロ写真は、特別列車として仕立てられた当時の車内です。

天平時代に高貴な色とされた紫をあしらった外装に加え、内装にも天井や壁、カーペットなど至るところに天平文様が散りばめられ、高級感あふれるしつらえに。2号車のサロンシートは上質感あふれるアーチも印象的です。


ゆったりくつろげるシートの秘密

1・3・4号車のツインシートは、家具メーカーによる特注品のシートが用いられています。およそ1年かけて開発したシートは、包み込まれるような柔らかで心地よい座り心地。ふかふかのカーペットに、趣深い内装、さらに座り心地を追求したシートが贅沢なひとときを演出してくれます。


「あをによし」の魅力②
車内限定メニュー

旅情を盛り上げる限定のスイーツ&クラフトビール

贅沢な移動空間に、美味しい旅のお供がそろえば、言うことありません。「あをによし」の車内でも、旅情を盛り上げるスイーツやアルコールを販売カウンターで購入できます。車内限定販売のバターサンドやクラフトビールをぜひ。

シェラトン都ホテル大阪がつくる「あをによしバターサンド」(850円)。「マロン」と、本わらび粉や宇治産抹茶を使った「抹茶わらびもち」の2個セット。
他にも、まほろば大仏プリンや大和抹茶ジェラート、バニラジェラートも販売しています。

近鉄グループのブルワリー「Yamato Brewery」が醸造するクラフトビールを、あをによし限定ラベルで販売(750円)。生のクラフトビールや河内醸造わいん、日本酒もそろいます。


「あをによし」おすすめの車窓

のんびりゆったりくつろぎながら、車窓を楽しみたいものです。中でもおすすめなのが平城宮跡付近。大和西大寺駅と新大宮駅の間は、復元された大極殿や朱雀門を見ることができ、奈良への観光気分も高まるはず。また、枚岡駅から石切駅の間もおすすめ。大阪市内を見渡す生駒山からの眺望が楽しめます。


「あをによし」の魅力③
贅沢なひとときを手軽に

大阪難波〜京都まで2,140円の手軽さ

ゆったりくつろげる贅沢な移動空間でありながら、リーズナブルな価格で観光特急の魅力を味わえるのも「あをによし」の大きな魅力。たとえば、大阪難波〜京都の最も長い区間を乗車しても、普通運賃1,140円+特急料金790円+特別車両料金210円 合計2,140円。ツインシート(※1)もサロンシート(※2)も価格差がないのもうれしいポイントです。

※1 ツインシートを1名で乗車する場合は、自身の乗車券・特急券・特別車両券に加えて、こども分の特急券・特別車両券の購入が必要です。
※2 サロン席は3名から4名で利用可能。

「あをによし」は原則、木曜日を除いて毎日運行されています。また、特急券の予約・購入は、オンライン(近鉄電車 インターネット予約・発売サービス)でも可能。近鉄主要駅の特急券窓口でも購入できます。詳細は公式サイトをご覧ください。

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「あをによし」で行きたい奈良・京都

関西屈指の観光エリアでもある「近鉄奈良」駅周辺は、カフェや雑貨などのお店巡りが楽しめることでも知られています。中でも、「ならまち」の路地裏には素敵なお店がそこかしこに。路地裏さんぽを楽しんでみましょう。

街タグ vol.61 ならまち巡りはこちら

穏やかで落ち着いた雰囲気が漂う「京都御苑・鴨川」周辺エリア。森林浴も楽しめる広々とした京都御苑をはじめ、ゆったりと自然の潤いを感じる鴨川、路地裏にはセンスのよさが伝わる素敵なお店も点在しています。

街タグ vol.50 京都御苑・鴨川散歩はこちら


せっかく京都に訪れたなら、メジャーな観光名所だけでなく、知る人ぞ知るスポットやお店も巡ってみたいもの。京都暮らしの経験を持ち、今でも京都が大好きという文筆家の甲斐みのりさんがおすすめのスポットをご案内。

ローレルスタイルvol.114 京都の愉しみ方 はこちら

京都御苑の東側、静かな住宅街の一角にある「冬夏 tearoom toka」。築100年を超える趣深い隠れ家のような日本家屋で、無農薬無化学肥料でつくられた日本茶の魅力を存分に愉しむことができます。

ローレルスタイルvol.120 日本のお茶を嗜むはこちら


「あをによし」のほかにも魅力的な近鉄の観光特急

しまかぜ

大阪・京都・名古屋と伊勢志摩を結ぶ観光特急。座り心地のよいプレミアムシートをはじめ、展望車両やサロン席(4〜6人用)、洋風個室(3〜4人用)、和風個室(3〜4人用)、カフェ車両など多彩な車両で、プレミアムな旅を愉しむことができます。

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青の交響曲(シンフォニー)

大阪阿部野橋駅 ~ 吉野駅間を1日2往復。歴史ロマンあふれる飛鳥や美しい自然が満喫できる吉野へのちょっと贅沢なおでかけが堪能できます。クラシカルな雰囲気の車内は、幅広のデラックスシートでくつろげるツイン席(2人用)とサロン席(3〜4人用)、ラウンジスペースがあります。

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写真提供・取材撮影協力:近畿日本鉄道株式会社