Rice ball
「令和のおにぎりブーム」と呼ばれるなど、最近「おにぎり」の専門店やレシピ本をよく見かけるようになりました。そこで、今回は手軽でいてバリエーションも豊富に作れる「おにぎり」に注目。おにぎり作家としてSNSで活躍され、レシピ本も出版するゆこさんに、行楽シーズンにぴったりなレシピや、手軽さをアップさせる作り方のコツなどを教えてもらいました。
日々おにぎり/ゆこ
自身のお昼ごはんとして作りはじめた“毎日おにぎり”をInstagramで投稿。料理が苦手でも時短で作れる、愛情と遊びごころが詰まったおにぎりレシピが評判に。おにぎり作家として、レシピやコラムなどの執筆活動も行っている。 著書に『毎日おにぎり365日』がある。
2020年5月から毎日おにぎりを作り続けているゆこさん。おにぎりの魅力を次のように語ります。「500種類以上は作っていると思うのですが、失敗って思いつかないんですよ。なんでも美味しくなるところにおもしろさがありますね。手軽でいて、気取らず、ほっこりできる食べ物だと思います。あと、おにぎりは“記憶と結び付く食べ物”ではないかと。たとえば、お母さんに作ってもらったとか、誰かと一緒に食べたとか。そういう記憶に残っていくのも魅力だと思います」
コロナ禍以前より在宅ワークを行っていたゆこさん。自宅でひとりで食べる昼食がだんだん雑になり、このままでは心が荒んでいくと危惧したそう。「無理せずに毎日続けられて、癒やしになるもの。そう考えて思いついたのが、おにぎりだったんです。すごく忙しいときでも、ごはんを炊いて塩さえあればできちゃいます。自分で握って食べるというのは、自分を大切にする行為でもあると感じます」
ゆこさんは、長続きさせる動機付けとしてInstagramへの投稿を始め、毎日いろいろな種類を試した結果、おにぎり作家として注目されるように。行楽シーズンにぴったりなレシピ3品を教えてもらいました。
春らしい見た目が華やかなおにぎりです。しば漬けの紫色が見映えをよくし、冷蔵庫にあるとなにかと重宝する「ちくわ」は栄養面でもグッド。低脂肪・高タンパクで注目されています。
(材料)
ごはん……お茶碗1杯分(約150g)
しば漬け……大さじ1
ちくわ……小1本
白ごま……大さじ2分の1
(作り方)
生ハムとブロッコリーの色彩が楽しめるおにぎりです。塩こしょうすることで、ピリッと大人の味わいになり、お酒のお供にも。気温が高くなり、保存が心配なときは生ハムをベーコンに変えるのもアリ。
(材料)
ごはん……お茶碗1杯分(約150g)
生ハム……2枚
ブロッコリー……10g
塩こしょう……少々
(作り方)
こちらも春らしい色合いのおにぎり。いんげんは、枝豆に変えても美味しいです。炒り卵の味付けはお好みですが、砂糖を入れて甘めにしています。また、白ごまも忘れずに。風味とプチプチとした食感がアクセントになるので、おすすめです。
(材料)
ごはん……お茶碗1杯分(約150g)
いんげん……2本
卵……2分の1個
砂糖……小さじ2分の1
白ごま……大さじ2分の1
塩……少々
(作り方)
ゆこさんのおにぎりは、具材たっぷりで食欲そそる見た目です。気分を高めるために大事なその見た目には、ちょっとしたコツがあるそうです。「具材はごはんに混ぜて握るのですが、彩り用の具材はあらかじめわけておき、握る直前におにぎりの表面に配置して、具材がよく見えるよう意識して握っています」
手が汚れない・洗いものが出ない・握ったまま持ち運べるといったメリットを考慮し、ゆこさんはラップを使う派。ごはんと具材を混ぜるときは、切るように混ぜて、ごはんが潰れないように。
具材を混ぜたごはんをラップの右側に寄せます。ここに彩り用の具材を乗せて。色味のあるものができるだけバラけるように配置したら、ラップを左から持ち上げておにぎりの表面にかぶせます。
ラップをかぶせたら、両手で左右からごはんを寄せて、三角形に。ある程度、形ができたらしっかり握って完成です。
見た目だけでなく、美味しいおにぎりを作るためには、どんなことに気をつけているのでしょうか。「やはり炊きたてのごはんで作ると、お米がふっくらして美味しいですね。あと、塩加減を注意しています。もともと私は薄味が好みで、具材にしっかり味がついている場合は塩を使わないようにしています」
レシピ本も出版されたゆこさん。500種類以上ものおにぎりの具材の組み合わせは、どのようにして考案されたのでしょうか。「毎日続けることが目的だったので、なにも特別な用意をしなくてもいいようにしています。最初は、前日の夕食の残り物を使って、そこへ冷蔵庫にあるチーズを加えたり、ちょっとしたプラスアルファを楽しんでいました。
外食したときに『あ、これは使えそう』とか、スーパーでもなにか使えないかと、だんだん見る目が変わってきましたね。自分や家族が食べるものなので、最近は栄養面も考えていくようになりました。自分の癒やしにもなるものと考えて作り始めたのですが、せっかくなら美味しくて、身体にいいものがいいですよね」