2026.02.20 公開
「ローレル」マンションシリーズのモデルルームでは、インテリアコーディネーターがこだわった、心地よく素敵な空間を体験することができます。コーディネートをひもときながら、ラグジュアリーな空間をつくるヒントを探ります。
<ご紹介物件>
ローレルコート京都御所東(分譲済)
<お話をうかがったのは>
インテリアコーディネーター
株式会社 メック・デザイン・インターナショナル
桑原 一樹さん

— インテリア全体でどのようなコンセプトを検討されたのですか?
「京都御所や鴨川を肌で感じられる立地にふさわしいデザインとして、美しいものに美しいものを重ねる『錦上添花(きんじょうてんか)』をコンセプトに掲げました。美しい緑の眺望に、京都の伝統を積み重ね、一流ホテルのスイートルームにも劣らない寛ぎの空間を追求しました」

— スイートルームにも劣らない寛ぎは、ダイナミックな空間使いからも感じられます。空間設計のポイントをお聞かせください。
「ホテルのスイートルームらしさとして特に意識したのは動線ですね。室内の扉を全て開け放つことで、リビング・和室・寝室(洋室)がぐるりと回遊できます。また、その動線は眺望が良いバルコニー側を歩けるように間取りや家具の配置を考えました」

— リビング・ダイニングは高級感がありながらも開放的で明るい雰囲気が印象的です。全体的なカラーコーディネートについて教えてください。
「一昔前は、ラグジュアリーなインテリアをつくるために、ダーク系のカラーでまとめることが多かったですね。最近は、明るいトーンが主流で、五つ星ホテルなども明るい傾向にあります。ただ、明るさの中に高級感を出すには工夫が必要です。今回は床や建具に明るい色合いを使う一方で、キッチンや家具の木部には黒などの締め色を用いています。また、建具や家具の質感にこだわり、陰影をつけることで単調にならないように配慮しています」


— リビングの家具はどのようにセレクトされたのですか?
「まず今回のコーディネートで重要視したのが、眺望です。窓のサッシに黒いコの字型の「門型」のフレームを付けることで、眺望をピクチャーウィンドウのように切り取り、借景として取り込めるようにしています。この眺望を遮らないように、リビングのソファは通常よりも高さを低く設定。また、リビングテーブルの天板には漆のような艶のある黒を使って空間のアクセントに。リビングのラウンジチェアは『日本刀』をモチーフにしたもので、本物件のイメージに合うものを探してセレクトしました」

— 過度な装飾ではなく、ひとつひとつ吟味されたアイテムが上質感を生み出しているように感じます。
「インテリアをコーディネートする上で、こちらに暮らす人物像として生け花教室を開いている方を想定しました。和室やリビングのソファ横には、単なる観葉植物ではなく、華道の先生が生けたようなアレンジメントを配置し、外の緑とのつながりを意識しています。小物は京都の伝統が感じられる竹細工などをセレクト。クッションは、西陣織をモダンにアレンジしたファブリックです。ソファやテーブルなど大きな物を選んでから、小物類は空間全体の調和を図りながら足し算と引き算を繰り返し、バランスを整えていきました」


— ダイニングの家具はどのようにセレクトされたのですか?
「ダイニングは、伝統的な雰囲気を持たせています。たとえばテーブルは、接着剤を使わず組まれているような建築的なデザインに。ダイニングチェアは、畳でも使用できるロの字型の脚のデザインをセレクトし、背の部分には西陣織をあつらえています。また、ダイニングのフォーカルポイント(焦点)として、壁面に間接照明と組子を配置。組子は、物件の所在地である東桜町にちなんで桜の伝統模様を施し、桜の花びらが上から下へと散っているような動きのあるデザインにしています」
— リビング・ダイニングとは対照的に、キッチン全体が黒で統一され、引き締まった印象です。
「黒といっても墨色のようなニュアンスを意識しました。真っ黒にならないよう木目の凹凸を強調した浮造り(うづくり)調の素材にして光の反射を抑えたり、少しオレンジ色の柄が入った大判タイルを選んだり、素材にはこだわりました。あえてキッチンを黒い塊として見せることで、空間全体が明るくなりすぎず、単調にならないようにバランスを取っています。実際の生活でも、お客さまを招く際にキッチンが丸見えでも黒で統一していると生活感が出にくく、空間が凛としてフォーマルに見える効果も。視覚的な効果に加え、黒は汚れが目立ちにくいという機能的なメリットもあります」
— 玄関や廊下にも京都らしさが感じられますが、どのような点を意識されたのですか?
「玄関から廊下にかけての壁面に縦格子をしつらえ、間接照明で光と影を表現しました。間接照明の光をたどっていくと明るいリビングにつながるという動線に。あえて廊下のトーンを落とすことで、リビングに入った時の明るさを際立たせ、空間の移り変わりを演出しています。また、建具は格子の中に紛れるような隠し扉にして、壁として見せることでノイズを消し、上質感を際立たせています」


— 和室のコーディネートのポイントをお聞かください。
「テーブルなどの家具を置いて固定的な使い方をするのではなく、多用途で使えるように設計。リビングの一部としても、寝室の一部としても使えますし、来客時はゲストが宿泊する部屋にも。それほど広い和室ではないため、間や余白を意識して、あえて置くものは花台だけにとどめました。壁は少しグレーがかった色味にし、花を飾る背面の壁には、京都の唐紙(からかみ)を採用。ベースとなる地紙にスタンプのように柄を押していくのですが、今回は花とのバランスを見ながら、柄を押す位置を上の方に調整。壁紙自体がディスプレイとなるよう工夫しています」


— 主寝室の床に畳が使われているのですね。
「寝室は、海外の方も利用する京都のホテルを参考にし、和室とつなげて畳敷きにしました。京都だからこそ『和室に洋のベッドを置く』というスタイルを採用。足触りの良さや柔らかさといった機能的なメリットがあります。また、ベッドのクッション部分にブルーの西陣織を使ったほか、屏風からインスピレーションを得た籐をヘッドボードに貼り込み、ナイトランプの優しい光で陰影を出し、ベッドまわりに温かみを演出しています」

— 心地よく寛げるインテリアをつくる際に気をつけたいポイントは?
「まず、色使いはなるべく絞ることですね。そして、絞った色を空間全体に分散させることが大切です。例えば、今回のモデルルームでは、キッチンで用いた締め色の黒を、ラウンジチェアの脚やリビングテーブルの天板、ダイニングのペンダントライトなどに用いています。そうすることで空間にまとまりが生まれます。 次に重要なのが照明です。どんなに良い空間でも照明が悪いと台無しになってしまいます。天井の照明だけでなく、スタンドライトや間接照明を取り入れるだけで雰囲気は劇的に変わります。リビングの隅に行灯のようなスタンドを置くだけでも、夜の雰囲気がとても良くなります」
※掲載写真はマンションサロン内モデルルームで撮影したもので、現在は公開しておりません。